ブランディングとマーケティングは両輪

2021.01.17

私は何者なのかを表現し、いかにお客さんを得るか・・・

 

ブランディング、マーケティングどちらも大事

ブランディングとマーケティングは両輪であるとお伝えしています。しかし、そもそもブランディング、マーケティングについて、よく理解されていない経営者の方も少なくありません。とはいえ、ブランディング、マーケティングと言わなくても、会社を経営していく中で、お客さんを得て、売上げを立て、そこで収益を得られなければ、会社は存在できません。

会社やビジネスを行うと言うことは、それをブランディングだとか、マーケティングだとか言わなくても、お客さんを得て、取引が成立するところに、すでにブランディング、マーケティングが行われています。

敢えてブランディング、マーケティングという言葉を使うのは、それらの活動をより積極的にすることで、お客さんからの更なる信頼を得て、商品・サービスをもっと多くのお客さんに利用してもらう(購入してもらう)ためと言うことになります。そういう意味では、そのような結果に繋がらなければ、ブランディング、マーケティングはできていないと言うことになります。当たり前ですが。。。

ブランディング、マーケティングについては、このブログの他の記事でも、様々な角度からお伝えしているのですが、例えば、ブランディングとマーケティングが両輪であるということをお伝えしているのには、理由があります。それは、どちらも大切だからです。

経営とは顧客の創造である」と経営の神様と言われたピーター・F・ドラッカーは言いましたが、マーケティングは、まさに、お客さんをいかに創るかという、経営の中で顧客づくりの中心的な活動と言えます。
そのために、どうしても「集客」や「売り」が先行してしまいがちです。

「集客」を先行させると、ネット広告やLP(ランディングページ)はもとより、Webサイト、紙媒体の広告やチラシなども、ターゲット顧客の興味、関心をいかに得るかに走りすぎて、とにかく目立たせ、勢いがあって、刺激的で、強調され、時に過激で、生々しい表現をしてしまうということがあります。

例えば、最近ではあまり見なくなりましたが、家具屋さんの店じまいセール!店じまいと言いながら、お店がなくなることはないチラシ、何度店じまいするんだというようなうたい文句が、家具屋さんではよくありました。今では、いわゆる家具屋さん自体がほとんど衰退していると思いますが(インテリアショップや通販へ移行)。

過激めのテレビ通販もありますが、単品のネット通販では、サプリメントや健康機器など、人々が不安や自信がないことに関して、不安を煽ってこれがあれば大丈夫、安心してください。これで解決できます!とたたみ込んできます。
もちろん、表現は過激でも、商品のいいものもたくさんあるでしょうし、競争の激しい、レッドオーシャン市場では、このくらい表現しなかったら、それだけで埋没してしまうということもあります。→広告の出稿量にもよります。。。
東京のアメ横のように、似たようなお店がいくつもあって、みんなお客さんに「買った買った!安いよ安いよ!」って声をかけてたら、自分も叫ばないわけにはいきません。。。

 

お客さんは何を望んでいるのか?

お客さんを取り込むというところにフォーカスしたら、昔から言われるAIDMA(アイドマ)の法則に従って、

AAttention →注目

IInterest →興味

DDesire →欲求

MMemory →記憶

AAction →行動

その製品の存在を知り(Attention)、興味をもって(Interest )、欲しいと思うようになって、(Desire)、記憶して(Memory)、最終的に購買→行動する(Action)という購買決定のプロセスをたどります。このAIDMAの100年も前に、サミュエル・ローランド・ホールによって提唱されたものですが、人々の感情行動は基本的に変わりません。

現代では、ネットの世界なので、DMA→欲求から行動までが、購入ボタンひとつというところから、記憶のMを飛び越えて、AIDAが最短で行われているような状況でもあります。

この部分は、マーケティングの中でもプロモーションにあたる部分であって、マーケティングとしては、商品・サービスをどうするかというところから、リピート購入、また、新規顧客の紹介など、SNSによる口コミ紹介、顧客コミュニティなどの部分まで、幅広い活動になります。

いかにお客さんを集めるか? いかに商品を売るか? と言うところにフォーカスしたら、どうしても「売り込み」的な表現に陥りがちです。
その背景には「買って欲しい」「買ってもらわなければならない」「売らなければならない」と言う押し一方になってしまう可能性があると言うことです。
そこには、ともするとお客さん不在で、会社やお店側の一方的な思いだけで走ってしまう可能性があると言うことです。

それでも、会社は利益が出てなんぼということもあるので、厳しい市場環境では致し方ない場合もあります。また、そういう販売の仕方が、業界の文化としてあって、それが好まれる場合もあります。活気のない市場が好まれないように、やはり賑わいが魅力だったりもするわけです。

ブランディングはどうかというと、自分をどのように表現するのかということです。
自分を表現するためには、その前に、自分とは何者かを理解する必用があります。それが、アイデンティティです。
自分とは、つまり、会社とは、お店とはどんな存在なのか? 地域社会、市場、人々のニーズやウォンツの中で、どのような存在なのか? どのような存在でありたいのか?
これは、人生で言うなれば、どのように生きたいのか?と言うことでもあります。

 

会社にあった音色を奏でる楽器を創る

ブランディングは、会社はどのような存在で、それをどうのように表現していくかという一連の活動になります。

先ほどのマーケティングを一緒に考えると「売り込み」の強い表現が、その市場や業界の文化なら、お客さんがそういうムードを好むなら、それにあった表現をしていくこともブランディングです。

しかし、とにかく目立たせたい。注目させたい。お客さんの感情に訴えて、購入ボタンを押させたいという気持ちが先行して、そうした荒手な表現をしてしまうことで、デリケートな表現が好まれる市場、カテゴリーでは、受け入れられないということになります。

お伝えしたいのは、なんでもかんでも、売り先行、伝えたい一方の表現をすることではなく、その市場のお客さん、ターゲットとなる人々が、どのような体験をしたいかということをよく考える必用があります。

いま、時代は、UX=顧客体験です。
ブランディングとしては、

1.自分たちがどんな存在であるかを明確にすること。

2.それをどのように表現したいか?

3.どのように受けとられたいか? 理解されたいか?

4.お客さん(ターゲット)は、どのような表現や体験を求めているのか?

ここをどう扱っていくかと言うことになります。

商品の広告を見る。誰かのSNSの口コミで、商品やサービスを知る段階から、Webサイトやオンラインショップに行く。実際の商品やサービスを店舗などで体験する。商品を暮らしの中で体験する。こうしたすべてがブランディングの対象となります。

◎お店でお客さんにどのような対応、コミュニケーションをするのか?
◎スタッフの笑顔や言葉遣いはどうするのか?
◎お客さんからのクレームにどう対処するのか?
◎商品はどのような気遣いが必用か?商品パッケージはどうか?
◎Webサイトの表現はどうか?

こうした会社やビジネスにおけるすべての活動が、ブランディングの対象であり、そこに活動があって、表現がある以上、そのすべてにブランディングとしてのエッセンス、コンセプトが表現され、そのフィルターを通して会社の活動が表現される必用があるのです。
そういう意味で、弊社では、モノリスブランディングをお伝えし、会社のコア(核)となる柱、軸としてのブランドコアを明確にし(←会社のアイデンティティを明確にする)、そこから発信することをお伝えしています。

このブランドコア=モノリスを創ることは、その会社にあった音色を奏でる楽器を創ることと同じです。そして、ブランディングとは、それを奏でること、演奏することです。それはバイオリンやピアノだったり、過激なエレキギター、ドラムかもしれません。会社によって様々です。

マーケティングの表現も、ブランディングをどうするのか? この下敷き、ベースによって、どう表現される必用があるのかが決まります。

なんでもかんでも、売り一辺倒ではなく、会社が本来どうありたいのか? どうある必用があるのか?
これがブランディングとマーケティングは両輪である←一対の鏡であるという理由です。

ブランディングとマーケティングは常に、同時にありますが、その力加減には、事業の成長状態も関係してきます。それについては、次回のブログにて。。。

他にも、いろいろな角度で経営やマーケティング、ブランディング、Webサイト制作について、お伝えしていますので、他の記事もぜひ、お読みください。ありがとうございました!

マーケティング、ブランディング、Webサイトの無料ご相談もやっていますので、
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Inspirater 和田達哉
株式会社マイルストーンデザイン 代表