小さな会社を成長させる鍵

2020.11.08

 

小さな会社とは相対的なもの

あなたの会社は小さな会社でしょうか?

何を持って小さな会社というのか、その定義もありますが、私は感覚的に捉えていて、社員数が数人、売上げ規模が数千万から数億いかない会社や個人事業でしょうか。
社員さんが数十人、売上げが数億規模になったら、そこそこの規模の会社ということになってきます。
売上げが大きくても、実質の利益率によって異なるので、売上げが10億でも、粗利率が15%の会社だと、粗利は1億5千万円。売上げが3億円で、粗利率が80%なら、2億4千万円の粗利と言うことで、売上げがイコール会社の本質的な評価ではなく、やはり、最終的に、自己資本がいくらかが会社のポテンシャルと言うことになります。

まあ、そのあたりの話はここではいいのですが、

会社を起業した人も、企業という意味では起業家なのかもしれませんが、起業家と言うにはちょっとニュアンスが異なります。小さな会社の経営者と今はまだ小さいけれど起業家と言われる人の違いは何でしょうか?

これはあくまでも、個人的な見解なのですが。。。

小さな会社を成長させるには、この起業家との違いを知ることがヒントになります。

あっちなみに、小さな会社が悪いわけではありません。経営は人それぞれ、順調に経営されていたら、それだけで素晴らしいです。なぜなら、10年も経てば会社の94%は姿を消すのですから。ただ、経営において、次のステージに向かいたいのに、なかなかシフトできない小さな会社の経営者の方のヒントになればいいなと思います。

以下に見ていきましょう。

 

 

起業家には強い意志と遠い目標、大いなる目的がある

さて、小さな会社の経営者も起業した人には違いないのですが、起業家というのは、すこしイメージが違います。

小さな会社の経営者は、事業規模がそこそこ小さなままで満足しているか、あまり大きくしようと考えていません
会社を立ち上げて、数人規模になって、10年経っても会社の規模はほとんど変わらないか、2倍、3倍になるくらいでしょうか?2、3人の規模の会社なら、10倍になっても20人、30人規模です。会社を本気で成長させたいと思っているなら、10年という歳月の中で、もっと大きく成長させるかもしれません。

起業家が異なるのは、常に現状に満足しません何のために起業したのか、起業するのかという意思、目的が明確で、ゴールをかなり遠くに置いていることです。もちろん、小さな会社の経営者の方も、目的、目標はしっかりあると思います。ただ、起業家のそのゴールは、起業時点では果たして達成できるのか?どうやって達成すればいいのかなんてまったくわからないけれど、強い意志を持って、こういう夢、未来を実現したいという情熱に溢れています。

周りから見たら、頭がおかしいんじゃないか。そんなことできっこないと思われるようなことを当たり前のように目標設定します。そして、目的は、世界を変えるためだとか、社会に変革を起こす。社会に大きなインパクトを与える。業界をひっくり返すなど、かなり大胆で、エネルギッシュ、エキサイティングかつパワフルな野望があります。

見た目がおとなしめの人でも、内なる情熱やエネルギーは地下にマグマが眠っているように沸き立っています。途中で挫折する人→燃え尽きる人も多いのですが。。。笑

まあ、これも私の考えているイメージですので、ひとそれぞれ考え方は違うとは思いますが、私はそんな感じです。

今の時点で、社員15人、売上げ3億円の経営者の方がいるとします。私の定義では小さな会社といえますが、そこに起業家精神を持った若者がいます。彼は起業し立てで、まだ一人です。売上げも1000万円いくかいかないか・・・でも、彼は事業に成功して、わずか数年で、社員数100人、売上げ規模20億円の会社を築きました。そして、さらに数年後、社員数500人、売上げ100億円の会社に成長させました。こういう人物は起業家と定義したいと思うのです。

この違いは何でしょうか?言うまでもありませんが、経営者の持っているベクトルが全く異なります

 

 

5年前に、シリコンバレーで2週間のスタートアップ企業のためのアクセラレータープログラムに参加したことがあります。これに参加するために、この期間の前後合わせてひと月近くいたのですが、このプログラムに参加したおかげで、シリコンバレーのスタートアップ企業がどのように起業し、急成長していくのかがよくわかりました。

この話は、また別の記事で上げようと思いますが、アクセラレーターとは加速させるもので、こうしたプログラムによって、スタートアップ=起業のアイデアを本当に成長できるものにするように、考え直したり、プログラムの中で、投資家や専門家たちがサポートして、どうしたら成功できるかを考えていく、いや構築していくと言った方がいいでしょう。すべて英語のプログラムだったので、ひと苦労でしたが、学びは大きかったです。

ここで、シリコンバレーで急成長するスタートアップなぜ急成長できるのか?
それは経営者だけの問題ではなく、急成長する=このことをスケールするといいますが、急拡大、スケールアップすると言うことです。これは、シリコンバレーに、スケールするための環境が整っていると言うことなのです。エコシステムとも言います。詳しくは別で。

こうした環境と例えば、地方都市で、小さな会社を始めるということと、スタートアップ=起業することの違いがわかるでしょうか?

地方都市だと特に、起業家が生まれる、育つ環境が恵まれていないので、成長するには、起業家としてのベクトル、パワーがかなり必要です。

不毛な環境で植物を育てるのと十分栄養があり、環境のいい場所では、育ち方が全く異なるのと同じであり、育つ植物も違うと言うことです。

 

起業家のマインドセット

人は、マインドセット、持っているビリーフのように生きています。ビリーフとは信念、私たちが持っている価値観や世界観です。マインドセットは、同じようなものですが、どのようにマインドを向けているか、フォーカスしているか、いつも考えているかということで、いずれも無意識レベルにまで及んでいます。

起業家ですでに成功した人、言うまでもありませんが、今はなきスティーブ・ジョブス、ジェフ・ベゾス、マーク・ザッカーバーグ、リチャード・ブランソン・・・まあ、成功といっても世界の頂点ですが。。。笑

ここまで行かなくとも、世の中には起業家としてわずか数年で成功している人たちがたくさんいます。
彼らの中にあったベクトル。ポテンシャル。そこにあったビリーフやマインドセットは、やはり、最初からそこに行こう、もしくは、どこかでスイッチが入って、さらなる高みに向かっていったのだと思います。もう、こうなったら冒険者たちです。実際に、リチャード・ブランソン氏は、筋金入りの冒険家でもあります。まだ見ぬ世界を見てみたい。自分の力で登ってみたい。挑戦したいという思いが、普通の人よりもとんでもなく高いエネルギー、情熱としてあったのでしょう。

先ほども言いましたが、もともとその情熱の熱量のポテンシャルを持っているタイプの人と事業の成長と共に、起業家精神が育っていく経営者の方もいます。脱皮しながら成長していく感じでしょうか?そういう方は、企業当時は、大それた考えを持っていない場合もあります。

父親が急逝し、経営していた小さな会社をなんとかするために、働いていた会社をやめて受け継いだ後、可能性を感じて、一念発起して、大きな会社に成長させた経営者もたくさんいますし、もともとアルバイトとして入った会社で、頭角を現し、最後には会社を上場企業にまで押し上げたような方もいます。

市場環境や景気動向、新技術、新しい市場など、経営環境は常に大きく変化しています。

特に、今回のような新型コロナという状況や大規模な災害など、予測を超えた事態も襲いかかってきます。そんな中でも、なんとか形勢を立て直して、再び前進していく、もしくは、こうした事態にも、大きな影響を受けることなく進んでいく。こうしたことは、やはり、常に遠くに目標を置いて、大きな目的のために進んでいく。そのマインドセットがなければ不可能です。

たまたまチャンスがあって、そのトレンドに乗って、ビジネス、商売を行ってうまくいったとしても、潮目が変わる、トレンドが終わってしまったらおしまいです。
トレンドに偶然乗って、会社を急成長させて、そのまま、その先もその状態を続けられると、遠くの目標もなく、経営の目的もない状態で、ただ大きな収益が入ってくることで、大切なことを見失って、危機的な状況を迎えた経営者の方を何人も知っています。もちろん、そのうちの何人かは、会社を見直して、事業を圧縮しても、会社を維持させることができて、復活の機を狙っていたり、情熱の炎は値さくなったもののそこそこの規模で経営を続けている方もいます。そして、市場から去った方もいます。

商品、市場にはライフサイクルがあります。トレンドはいつか終わるので、常に新しい商品を投入する。次の商機をにらんでいくことが大事です。

そのためには、やはり、自社を見つめ直し

 ◎会社を、自分の人生をどうしたいのか?
 ◎どんな会社にしたいのか?
 ◎どのように社会に貢献するのか?
 ◎誰に感謝するのか?
 ◎何のために会社をやって、最終的なゴールはどこなのか?
 ◎どこを目指すのかを明確に描き、本当にそうしたいのか?
 ◎そこに行きたいのか?

本当にそうしたいというエネルギーの源泉を見つける。そこに触れなくてはいけません。

あなたの情熱の熱源はどこにあるのか?
 会社を成長させる熱量は十分にあるか?

その熱源は、あなたが本当に情熱を感じられること、ワクワクし、楽しくてしょうがなく、それをやり続けたくなるようなもの。もしくは高い使命感に包まれ、多くの人からの応援や支援、感謝をエネルギーとして受け取ることができるれば、それも大きなエネルギーになるはずです。

 

 

自分のエネルギーには限界がある、だから・・・

自分の力、自分の持っているエネルギーには限りがあります。電気自動車もどこかで充電が必要ですが、高性能な太陽光電池のように、あなたの起業家精神というマインドセットのシステムが、もし、多くの人々からの感謝や応援というエネルギーを、常に受け取れるようなシステムなら、あなたはいつまでも走り続けることができます。

あなた自身は、言ってみれば、水道パイプになればいいのです。とてもおいしく、人々を元気にする源からのエネルギー水を人々に流す無限のパイプ。そのパイプを常にクリアにして、あなたの成長と共にその直径を拡げていく、いや、あなたの成長と共に拡がって行くのです。

あなたが今のままでいいなら、それでも構いません。幸せはどこにでも見いだすことができます。でも、あなたの中に眠っているものがあるなら。何かを感じるものがあるなら、あなたなりの冒険の旅に出ることは可能です。

本当に幸せは、あなたのコンフォートゾーンの外にしかありません。そこには、恐怖があるのではなく、本当のあなたが待っているのです。そのために勇気はいりません。

ただ、一歩を踏み出せばいいのです。

 

他にも、いろいろな角度で経営やマーケティング、ブランディング、Webサイト制作について、お伝えしていますので、他の記事もぜひ、お読みください。ありがとうございました!

Inspirater 和田達哉
株式会社マイルストーンデザイン 代表取締役