会社を共に旅する仲間と考えてみる

2020.11.27

会社にも魂があり、自分を解き放とうとしている。

 

会社は最も大切な仲間

会社を創業した経営者の方は、よく自分の会社を、自分自身と同じものと考えて、会社と自分の区別がつかなくなる方も少なくありません。個人事業主の方なら尚更です。
会社というのは、法人なので、法的な人格を持たせた、言わば、ひとりの人と考えるのが法的な見方です。なので、経営者は、会社をひとりの別の存在として、自分自身と切り分ける必要があります。この混同が、お金の取り扱いの問題やスタッフへの態度、会社の私物化など様々な問題を生みます。

会社を一人でやっている場合は、致し方ない部分もあるし、経営者自身が会社を表現するものでもあるので、それが評価、注目されるなら、それも会社のリソースであり、強みであると考えれば悪くはありません。しかし、ある程度、社員や経営幹部が増えてきた場合は、彼らの思いや意思もあるので、社長のワンマンもリーダーシップとしては大事ですが、社員や経営幹部の思いというものも大切にしていく必要があります。

会社という存在を自分から切り離し
て、少し離れてみると、会社が大切な我が子であったり、共にビジネスをやっていく盟友、共にゴールを目指すチーム仲間と見ていくと、会社をなんとか応援して、共に苦難を乗り越えようとか、共に喜びを分かち合おうとか。会社を最も大切な仲間として見ることができるようになります。

 

会社=仲間の体調を考える

会社と私たちの関係は、遠い目的地を目指して過酷な荒野を旅をする仲間たちの物語と考えてみると会社が別の姿で見えてきます。

過酷な旅の中で、会社の体調が思わしくありません。会社が思うように栄養を取ることができず、ほとんど歩けない様子です。
会社にとって必要なのはお金です。会社にとってお金は、血液であり栄養なので、お金がなくなると、会社は途端に元気がなくなり、顔は青ざめ、フラフラになって、時に立ち上がれなくなってしまいます。
しかし、私たちのゴールはまだまだ先なのです。会社にここで倒れられたら、この旅は終わってしまいます。ここまで会社と共に歩んできた道です。ここまで苦しみや喜びを分かち合いながらやって来たのに、ここで会社を死なせるわけにはいきません。それは私たち自身も死を迎えるに等しいのです。

こんな風に考えると、会社が全く違って見えてきませんか?

会社にお金がなくなると、当然ですが、会社は立ちゆかなくなります。でも、会社に現金がなくなることに理解が薄い方、無頓着な方もいて、お金にルーズな方がいるように、会社の財務もルーズで、むちゃくちゃな経営者の方も少なくないのです。
会社の財務は単なる数字ではないし、お金は単にあれば使っていいもの、なければ、欲しいものが買えないものというような単純な考えしか持っていないと、会社にとって、見えないところでお金はどんどん流出して、気がついたら会社が大変なことになっているということもあります。
実際に、創業から10年以内に90%の会社が倒産することを見ても、もちろん理由はそれだけではないのですが、財務の問題を軽視している経営者の方も多いのです。

自分の健康管理に無頓着な方は、会社の健康管理にも無頓着かもしれません。市場環境が良くて、たまたま儲かっている状態は、たまたま病気なく健康な状態かもしれません。しかし、ある時、突然、重大な病が告げられるかもしれない。
会社の健康状態を常に見ておくことは、自分の健康状態を見るのと同じです。旅する仲間と必ず目的地に一緒にゴールするために、仲間の健康にも配慮することは大事です。

 

会社のアイデンティティとスピリットネーム

会社には、会社のアイデンティティがあります。CI=コーポレートアイデンティティと言う言葉がありますが、単にロゴマークを整えることではありません。その会社とは、どう言う存在なのかを明確にしていくことです。
それは経営者のアイデンティティとは異なります。それは、会社はあなた自身ではないからです。

そもそもアイデンティティとは何か? 

アイデンティティとは、簡単に言えば「自分は、その存在は何者なのか?」ということです。あなたのアイデンティティとはと聞かれたら、あなたは何者であるかということです。
私は何者なのかと考えるときに、やっている仕事や肩書きを言うのではありません。いったいどういう存在なのかを深く問いかける必要があります。

昔、ケビン・コスナー主演の名作映画「ダンス・ウィズ・ウルブス」という映画がありました。南北戦争の頃の物語で、主人公が残されたフロンティアでのネイティブアメリカンとの交流を描いたものですが、この中で、主人公ダンバーは、ネイティブアメリカンから名前をもらいます。それが「ダンス・ウィズ・ウルブス」=オオカミと踊る男のという名です。

映画に登場するネイティブアメリカンは皆、個性的な名前を持っていて「蹴る鳥」「風になびく髪」「拳を握って立つ女」など、ユニークであり、その人を象徴する名前で呼ばれます。
彼らは、単なる見た目ではなく、実はそれぞれの人の深い個性特質を見抜き、人生経験豊かな長老たちが、そのスピリットを見つめて名前を付けているのです。言わば、スピリットネームです。スピリットとは、精神であり、その人の魂と言えるでしょう。

アイデンティティとは、まさにこのスピリットネームに象徴されるような、本質の個性なのです。
そう考えたときに

◎あなた自身のスピリットネームは、どのような名前だと思いますか?

少し考えてみてください。

「小銭を数える者」「小言を言う女」「嫌みな男」そんなスピリットネーム嫌ですよね。。。笑
やはり、誇り高く、パワフルで、輝かしく、豊かであり、徳が高い、そんな名前だったらうれしいですよね。もしくは、女性であれば、可憐で、美しく、魅惑的だったり。
では、

◎あなたの会社のスピリットネームはどうでしょうか?

「魂を紡ぐ光」「夢の虹を織るもの」「命の輝を呼ぶ風」など。。。

 

会社に問いかけ、魂の声を聞く

会社は法人である故に、会社にも魂があります。会社は法人という個人であって、生きている存在です。会社には個性があり、性格もあります。会社は人の子供のように成長し、成熟し、ある意味で、年老いていきます。しかし、会社の健康をしっかり保てば、人の一生よりも随分長生きするものです。
会社の健康は、財務諸表が健康診断書です。人間ドックで渡されるものと同じです。診断項目で異常な数値が出ていたら要注意です。もしくは、すぐに手を打たなければいけないこともあります。
体調もそうですが、だるい、しんどい、めまいがする、こうした異常に自分自身で気づくように、健康診断書なんてなくとも、会社の調子が悪いことも早く気づいて対処していかないといけません。体調の異常を見逃したり、軽く見積もると後々ろくなことにならないからです。

会社をどんな会社にするのかは、経営者が考えるものですが、会社が一人の人格ならば、会社に聞いてみてはいかがでしょうか?
調子はどうだい?」「君はどんな会社になりたいんだ?」と
果たしてどんな答えが返ってくるでしょうか?

「いやぁ、正直言って、少ししんどいんだ。もう少しペースを落として欲しい」
「大丈夫、まだまだ行けるよ」
「君たちと共に歩めることが僕の喜びさ」

「もっと多くの人に貢献できるようになりたいね」
「みんなを幸せに豊かにできるようになりたいんだ」
「大きく成長して人々に刺激を与えたいな」
「多くの会社がもっと価値を見いだせるよう応援したい」

◎あなたの会社に聞いてみて、どんな答えが返ってきましたか?
耳を澄ませてみれば聞こえてくるはずです。

会社は、経営者であるあなたがすべて創造していると同時に、会社は、あなたという存在を通して、会社という自分を表現しようとしています。
会社というスピリットを自ら解き放とうとしているんです。
だから、あなたは会社をもっと羽ばたかせてあげなければいけません。

◎会社のアイデンティティとは何か?
◎会社とは何者なのか?
◎会社は自分をどう表現したいのか?
◎会社はどこに向かっていきたいのか?
◎会社はどんな状態でいることが快適で、喜びなのか?
◎会社はあなた方とどのような関係で、どのように歩んでいきたいと思っているのか?
◎会社は、あなたに何を語りかけ、どうありたいと願っているのか?

会社はいつも語りかけています。
会社の声に、ぜひ耳を傾けてみてください。
会社を解き放てば会社はもっと自由に成長していくのです。

他にも、いろいろな角度で経営やマーケティング、ブランディング、Webサイト制作について、お伝えしていますので、他の記事もぜひ、お読みください。ありがとうございました!

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Inspirater 和田達哉
株式会社マイルストーンデザイン 代表