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10万円でも売れるわけ

2019.11.10

8万円の高級掃除機


10万円というのは、例えなのですが、ダイソンの掃除機やバルミューダのオーブントースターなど、一般的な掃除機やトースターよりもかなり高額です。それでも売れているのはなぜか?それは、他にはない特徴を持っているだけでなく、それが大きな期待と満足を生む商品、期待する結果を提供しているからです。

例えばダイソンは、発売当初は、サイクロン方式の掃除機は他にはなく、独創的な方式で、唯一の掃除機でした。ご存じの通りダイソンの掃除機は、8万円近くします。最近では3万円くらいの廉価版が出ていますが、ダイソンならではの最高性能を求めるなら、やはりそれなりの値段になります。

いまでこそ、ダイソンは市場に浸透しているので、しっかりとしたブランドも確立し、我が家でもダイソンが活躍していて、今後もいまのダイソンが壊れたら、また最新のダイソンを買いたいと思っているほど、ダイソン以外には考えられない感じですが、初めてダイソンを買った10数年前は、以前から欲しいと思っていたけれど、さすがにいい値段だったので本当にこれが必要かどうか迷いました。。。

当時ダイソンは、そんなに知られていなくて、クリーンな排気と吸引力ではどの掃除機もダイソンのサイクロンには太刀打ちできない状態でしたが、それでも、1~2万円台で買える掃除機が8万円くらいする掃除機は、掃除機の高級車のようなものです。

僕の場合は、元々工業デザイナー出身なので、デザイン学生の頃に工業デザインの海外の専門誌に、当時、工業デザイナーのジェームズ・ダイソン氏のRCA=ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(英国立大学)の卒業制作でのサイクロン方式かつ独創的なデザインの論文が掲載されていて、そのデザインに衝撃を覚えたのを記憶しています。そんな背景もあって、僕には市場に現れたダイソンには特別な思いもありました。

さて、こうした他にはない圧倒的な特性・特徴を持ったダイソンのような商品でも、価格が高すぎてはさすがに市場に受け容れられないものもあるでしょう。

そういう意味では、市場ニーズとウォンツ(欲求)とのバランスで、8万円の掃除機はかなり渋い設定、選択だったと思います。

ここでお話ししたいのは、価格設定の方法のお話ではなく、マーケティングなのですが、どうすれば高額商品を売ることができるかということです。

 

潜在的なニーズに気づかせてあげる


先にも話しましたが、すでにダイソンは高性能高級家電としてブランドを確立しているので、掃除機や扇風機、ドライヤーなどでも、機能、性能以上に、ブランドとしての付加価値で売れる商品に育っているとも言えるので、ここでお話ししたいこととは少し変わってしまうのですが、わかりやすい高額商品の例としてはイメージしやすいかと思います。

そこで、前振りが長かったのですが、よく相談がある内容の一つとして、すごくいい商品、サービスなのに売れないので、何とかしたいというものです。

これはプロダクトアウトと言われるもので、作り手、売り手の考え優先で商品化されたり、販売されてしまうもので、ダイソンもある意味ではプロダクトアウトの商品でもあります。

ただそれが、市場のニーズに合っていれば、当然売れるわけです。

逆に、マーケットインという考え方があって、市場でこういうニーズがあると、そのニーズに対して商品を開発し、供給するというのは、そこに確実な市場がある訳なので、当然売れるわけです。しかし、市場のニーズ以上のものが創られるかというとまたそこは難しいところでもあります。

作り手、売り手の思いで、これはすごい商品ができた!これは世の中にない画期的なアイデアだ!これは絶対に売れる!など、思いが先に来るケースは多いものです。

しかし、実際に売り出してみるとイマイチ反応がない。当然、そこにはいろいろな理由があります。


1.作り手、売り手が思っているほど、市場がいいと感じていない。
2.すでに似たような商品があった。
3.いいとは感じるけど、それほど欲しいとは思わない。
4.欲しいけれど、高すぎる。
5.他の商品で代用できる。
6.あまり興味がない。


その人の人生や暮らしの中で、ビジネスの中で、必要ないと角印を押されたらどうしようもないのですが、いまは必要性を感じていなくても、潜在的に必要性があったり、本人が気づいていないニーズがあったり、欲しいけれど価格が高いから躊躇しているなど、タイミングやきっかけが違っていたら購入に至るというケースも多々あり、アプローチの仕方が異なっていたり、合っていないために、買ってもらえないと言うことも多いでしょう。

しかし、そこには可能性があるわけで、そのまま放っておいたり、諦めるのはもったいないし、また、そこを刈り取っていかないと立ち行かないビジネスも数多くあると思います。

そこがマーケティングの真骨頂とも言えます。

マーケティングは買いたくもないものを買わせる押し売りの道具ではないし、洗脳商法や心理的な手法で気がついたらハンコを押していたと言うような技術ではありません。←本来は。。。しかし、そのようなものも横行しています。

マーケティングは、本来、その人がそれを知ることによって、より良く生きることができたり、その人にとって大きなメリットがあるにも関わらず、それに気づかずにいることで損をしていたり、残念、もったいない状態にあることを改善するきっかけになるものである必要があると思うのです。

マーケティングによって、人々がより良い暮らし、人生を生きられる。そのきっかけ、チャンスに貢献する。これこそがマーケティングだと。。。ちょっと大きく出ました!(笑)

なので、そういう背景の中で、高くてもいいものを買っていただきたい。生活の中に取り入れていただきたいのです。

 

3メートルの壁を越えるには?


いい商品なのに高くて買えない。

本当でしょうか?当然、あまりにも高額で、収入ベース以上のものは考えなければいけませんが、高いと感じているだけで、本当にそれが高いかどうか、ちゃんと考えて見れば決して高いものではない商品のなんと多いことか。。。

作り手、売り手としては、そこをわかっていただいて、買ってもらいたいのですが、そこで大事なのは、セールスのテクニックや売り文句ではありません。もちろんそれも大事ではありますが・・・

お客さんの前には、高さ3メートルの壁があって、これを越えるにはどうしたらいいか。

身長が高く、運動能力の高い人なら、飛びついて、よじ登って越えられそうです。
しかし、普通の人には、ちょっと無理そうです。
価格が高くて、購入できないと感じている人はこんな感じなんです。

では、こんな人に、この壁を越えさせてあげるには、どうしたらいいでしょうか?

上から引っ張り上げる。下からお尻を持ち上げる。。。

答えは、階段を付けてあげる。置いてあげるということです。

3メートルの壁はよじ登れなくても、50センチの踏み台は登れるでしょう。3メートルの高さまで、1メートル、1.5メートル、2メートル、そして、2.5メートル。ここまで5段の階段ができました。そして、最後に、50センチを登れば、3メートルを越えることができます。

ここで言う3メートルというのは、心理的障壁で、実際に手が届かない、買えない高さではないと言うことです。
気持ちがそこまで達していない・・・
でも、50センチ、もしくは、1メートルなら買える。
そこまでの気持ちをサポートして上げることで、これなら買えるという気持ちに持っていってあげたらいい。

では、どうするか。

これが専門的には、マーケティングファネルと言いますが、ファネルとは漏斗という意味です。
段々と絞り込んで行くイメージです。

このことは、このブログの「なぜ、その商品を買わなくてはいけないのか?」でも取り上げていますので、合わせて読んでいただけると理解が深まります。

何よりも、まず、見込み客を集めること。見込み客とは、実際に商品を購入してくれる可能性のある人を見つけ出し、接触する。何らかのコミュニケーションを発生させて、興味関心を持ってもらったり、コンタクトを持つということです。

例えば、その商品に関する情報提供だったり、その商品やサービスに関わる世界観、共感する情報発信やメルマガ、SNSなどによって、興味を持つ人に繋がってもらったり、メルアドなどを登録してもらいます。

そうして繋がった方に向けて、さらに彼らが興味を持ちそうな情報、イベント、比較的安価で手に入れられるもの、無料で仕上げられるもの、レポートや小冊子などを提案し、さらに興味のある人はそれらを手に入れたり、参加したり、問い合わせなどでコンタクトしてくる可能性もあります。

その人たちは、最初に関心を持った人たちよりもより興味を持ってくれているわけです。

その段階で、具体的な商品について、いかがですか?と提案することも可能ですし、もう少し、更なる情報提供なり、次のステップの提案=オファーを提供することもいいかもしれません。

こうして、最後には、高額であっても、自分にとって必要であると判断できれば、その商品を購入してくれるでしょう。

 

私、失敗したくないので・・・


こうして、階段を少しずつ上ってもらうことを、育成するという意味で、英語でナーチャリングと言います。お客さんを育てるというのは、何か恣意的でいやなのですが、本来は、お客さんに本当のニーズに気づいてもらったり、興味関心を強めてもらう、さらには、肯定感を強めていただくなど、商品やサービスに対して、間違いないという気持ちを醸成していくと言うことです。

お客さんは、自分がイメージしているよりも高いと感じた商品を購入しにくいのはなぜか?

それは購入を失敗したくないからです。これにいては、また別途お話ししますが、

購入に際し、自分の選択は間違いない安心して購入できる。そのためには、その商品がその人にとって間違った選択ではないと言う「エビデンス」証拠があればいいわけです。

信頼できる識者の意見やオススメ、他の商品と比較して優れていること、その人のニーズに必要だと言うことや暮らしが改善できることのデータ、大学や研究機関での実証データ、新聞・テレビなどでの紹介された実績、すでに購入されたお客様の声など。

迷っているのは自分だけじゃない、そして、多くの人がすでに購入して、満足の体験を得ていることなどがあれば安心ですし、さらに、もし買ったあとに、自分が思ったものでなかった場合、全額100%返金が保証されている。間違った判断をしても、お金が戻ってくると言うことならば、買わない理由はほとんどなくなるでしょう。

また、マーケティングでは、お客さんとの接触頻度が高いほど、売れる確率が高くなると言いますが、それは接触頻度が高いことで、馴染み感が生まれ、それは安心に繋がります。

こうしたことが、階段を上ってもらうこと=安心してもらうことです。

3メートルの壁が心理的障壁と言いましたが、購入を失敗したくない、損したくない。こういう思いは、心や感情の問題です。これらを取り除いてあげること。

これこそが、壁を越えさせてあげる方法です。

お客さんがそれを買うことで、人生が改善される。ならば、ぜひ、こうして、安心を提供してあげてください。幸せをサポートしてあげてくださいね。